2007.1.31
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「ウイスキー樽から作ったウクレレ」 生産終了のご案内
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2003年夏から製作を開始し、絶賛をいただいていましたオークウクレレですが、
サントリーさんから『樽曲がり材の供給を終了する』という連絡が入りました...。
誠に残念ですが、本日の時点で新たな受注を停止させていただきます。
この3年半の製作本数は106本に達しました。
ご愛用いただいていますお客様には、今後とも大切に可愛がっていただければ
製作者としてうれしい限りです。ありがとうございました。
ウイスキー樽から生まれたウクレレ
深い森で育つこと100年、そしてサントリーの蒸留所で50年〜70年...。
良質のウイスキーの揺りかごとしての長い長い年月の役目を終えたホワイトオークが愛すべきあなたのウクレレに生まれ変わります。
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2003年4月、
サントリー「樽ものがたり」からホワイトオーク材を提供していただき、かねてからの念願のウイスキーの樽材を利用したウクレレの製作を開始しました。
以前、
白州のサントリー蒸留所を訪れたときにその自然を生かし共存する環境に感動し、また幾百と並ぶウイスキー樽とそのむせるような濃密な香りが強烈に印象に残ってしまった僕としては「古樽のオーク材と楽器製作の可能性」というのはずっと課題でした。
でもその寸法ゆえにギターは無理...と半ばあきらめていたのですが。
ある日何気なくサントリーのサイトを眺めていたときに「あ、ウクレレなら作れるかもしれない」と気が付き早速担当者あてに問い合わせをしたのでした。
ウクレレというふところの深い楽器と、ウイスキーの古いオーク樽という(好きな人にとっては?)とてもロマンチックな素材の出会い。
50年という長い歳月をウイスキーと共に過ごしたオーク材で作られたウクレレをポロポロと奏でながら、シングルモルトをちびちびなんて...。あこがれるのは僕だけでしょうか?(^^)
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さて、到着した樽材はこんな感じです
。曲がっている上に内側は焦げ焦げです。この焦げとオーク材のあめ色が、あのウイスキーの香りと琥珀色を生み出すんですねぇ。
僕自身も間近に見るのは初めてですが、わけも無く「おおぉ〜!そうかー、そうなんだっ!」という感じです。 |
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製材ですが、表面が結構曲がっているので割と歩留まりが悪いですね...。う〜む。内側の焦げも場所によっては案外深くまで入っています。
(比較的幅の広い)栓が付いていた部分の板(穴あき)でトップバックの板をブックマッチで、それ以外の材でサイドが取れそうです。
材木自体はパーフェクトな柾目材ですし、50年間も寝かされていたわけですからシーズニングもまた完璧ですね。 |
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挽き割ってから平らに削ってみるとオーク独特の斑入りの木目がきれいに出てきます。
材料を挽き割っている間、工房の中はむせ返る様な濃いモルトの香りでいっぱいになります。
寸法的にはソプラノがばっちり取れます。(^^)
この状態でしばらく環境に馴染ませてから製作に入る予定です。
"SD−Oak"の完成をしばらくお待ちください。 |
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挽き割ったオーク材を干しています |
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1枚の樽材から3枚の薄板が取れ、これから1台のウクレレが作れます。(実際は傷や割れ、染みが多いので歩留まりはかなり悪いですが。) |
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こちらも材料の乾燥です。近くによるとウイスキーの香りが濃密に漂っています。 |
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しばらく干した後、ヒーターで熱を加えながら、曲がっている板を平らに延ばし、厚みを整えてボディの表甲用に接着していきます。 |
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材料が曲がっている上に焦げたりウイスキーの染みが深く残っていたりと製材に手間取りましたが、なんとか10数分台のウクレレ材料が用意出来ました。
厚みを整えてからしばらく気候になじませた後、ウイスキー樽がウクレレに生まれ変わる工程が進みます。 |
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オーク材の到着から約2ヶ月。
やっと"SD-Oak"が完成です。
やはり長い年月を経て成熟したオーク材のせいかすばらしい音色です。音の抜け、サスティーン、和音のきれいな響き。どれをとっても申し分無しです。(正直言うとこんな良い音色になるとは思っていませんでした。(^_^;))
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さぁ、50年の眠りから覚めた150歳のホワイトオーク材のウクレレ。
あなたのお手元にいかがですか?(^^)
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